元の生活に復帰する
ストーマの手術後に肉体的な変化はありましたが、あなたは手術前とまったく変わっていません。
手術後の数か月間にストーマのある生活をしているうちに、いくつかの心配事が出てくるかもしれません。それらは当然の心配事であり、まったく正常です。
いくつかの一般的な質問とそれに対する答えを以下に列挙しました。これ以外の心配事があれば、あなたを担当する医師や看護師に相談することを推奨します。
好きなスポーツや身体活動に参加できますか?
参加できます。むしろ参加すべきで、活動的な生活を送るべきです。もし手術前に運動をしていなかったのであれば、手術後は運動を始める絶好の機会です。医師の許可があれば、ほとんどのスポーツや身体活動に参加できます。ただし相手の体に接触するスポーツ(例えば、ボクシング、レスリングやサッカー)は、ストーマを損傷するおそれがあるため、例外的に認められない可能性があります。
ストーマ袋から排泄物の漏れを起こすことはあるのですか?
ストーマ袋は、丈夫なフィルムでできており、漏れが最小限に抑えられるように設計されています。とは言え、パウチを日常的に交換し、あなたの体(単品系ストーマ装具の場合)や皮膚保護剤(二品系ストーマ装具の場合)に正しく確実に装着することで、漏れの生じる可能性が少なくなります。
ストーマ袋からにおいを放つことはありますか?
ストーマ袋の製造に用いる材料は、におい漏れを防止するように設計されていますが、においの発生をさらに減らすための追加的な予防措置があります。活性炭フィルターの付いたストーマ袋を選ぶことは、袋から脱臭されたガスが放出されるようにするうえで役立ちます。また、食事を管理してにおいやガスを発生させる食品の摂取を最小限に抑えたり、ストーマ袋に消臭剤を使うことも検討できます。
また、誰の体でも不快な音やにおいが時々生じることを忘れないことが重要です。うまくいかなくなることを心配して日々の行動を抑制しないようにしてください。
性的関係を再び持つことはできますか?
ストーマの手術を受けた人はパートナーとの親密な関係をやめなければならない、ということはありません。率直なコミュニケーションと信頼があれば、有意義で充実した愛情に満ちた接触が可能なのです。
あなたが体の変化に敏感になるのは正常なことです。自分の感情を配偶者や家族に伝え、相手の心配事にも対応してください。性的関係によってストーマの損傷が起こらないことをあなたのパートナーに知らせてください。時間と理解と前向きな姿勢があれば、あなたとあなたのパートナーがともに満足できる性的関係を楽しむことができるのです。
自分のストーマについて友人や職場の同僚に何を話すべきですか ?
周囲に頼れる友人がいるということは、いつでも安心なことであり、回復期に支援を必要としている時はなおさらです。しかしストーマとともに生きる多くの人々は、友人、家族や同僚に対し、自分の状態についての話をなかなかできないと感じています。
自分のストーマについての話をするかどうかは、あなた次第であることは明らかです。話をする気になれないのであれば、話す必要はありません。そもそもあなたが話をしなければ、あなたがストーマ装具を使っていることは決してわからないわけですから。でも私たちとしては、あなたが最も身近な家族と率直なコミュニケーションを続けることを推奨します。あなたが信頼する方からの支援は、あなたにとって役立つだけでなく、あなたが新しい生活に適応する過程であなたに関わる人たちの役にも立つのです。
衣類を新しく買い揃える必要はありますか?
あなたが使うストーマ袋は、体の上に平らに装着されるように設計されているため、ほとんどのタイプの衣服に隠れて見えません。そのため衣類を新しく買い揃える必要はありません。特殊な下着をつける必要すらなく、パウチは、通常の下着の内側や外側に装着できるようになっています。
衣類は、ちょっとした配慮で、もっと心地よく感じられるようになります。
- ストーマがウエストラインやウエストラインの近くに造設されている場合には、できるだけウエストの細いズボンやベルトで圧迫しないようにしてください。
- パンティーストッキングやタイツをはきたい時は、柔らかく伸縮性のある素材のものを必ず選んでください。(お腹を締め付けるストッキングやガードルは避けるのが無難です。)
- スポーツ用サポーターを使用する男性の多くは、ワンサイズ大きなものをつけると楽です。
- 水着は、どのようなものでも着用できますが、ワンピースの水着の方が落ち着くと感じる女性がいる一方で、ボクサーパンツ型水着を好む男性もいます。
手術直後についての詳細