奥様、医療従事者、ストーマ保有者仲間とのHealthy Bond ~山本悦秀先生インタビュー(後編)~
ストーマ保有者で公益社団法人日本オストミー協会の副会長を務める山本悦秀先生に、お話をお伺いました。本インタビューは前編と後編に分けてお届けしており、前編では、ストーマ造設時のことや病気との向き合い方についての内容でした。本記事(後編)では周囲とのかかわり方とストーマケアについてお伝えします。
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山本悦秀先生プロフィール:
62歳のときにストーマを造設し、現在77歳(インタビュー時)。ご経歴は札幌医科大学講師、助教授を経て1988年より金沢大学にて医学部歯科口腔外科教授。2011年に定年退職後は名誉教授に。現在は日本オストミー協会副会長を務め、講演や著書で自身のストーマ生活について積極的に発信。著書に『走る定年教授の充実オストメイト・ライフ』他。
奥様とのHealthy Bond(健全な絆)について
コンバテック:コンバテックでは、ご自身やストーマとのつながり、そして周囲の人や社会とのつながりが健全であるということが重要だと考え、“Healthy Bond(健全な絆)”という言葉を使っています。山本先生の周囲の方とのHealthy Bondはいかがでしょうか?
山本先生:人とのHealthy Bondというと、まず一番に家内です。もう結婚52年です。これまで私は教授になるためにずっと突っ走ってきたのですが、それまでずっと支えてくれました。また、がんになってからも病院に毎日泊まってくれて、サポートにはずっと感謝しています。家内がいないと今のような生活はなかったですし、毎日の家内との会話も私にとってはなくてはならないものです。
コンバテック:動画撮影やインタビューでご自宅を訪問させていただき、お二人がご一緒のご様子を何度も拝見させていただきました。ご夫婦一緒に長年支えあいながら歩んでいらっしゃったのがよく伝わります。
山本先生:本当に家内には頭が上がりません(笑)。他には、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)の方のサポートも大きかったです。いつも的確なアドバイスをいただいて、本当に頼もしいものです。
コンバテック:ストーマと奥様、そして医療従事者の方ともHealthy Bondを築いていらっしゃるのですね。
他のストーマ保有者との交流する場が大切な理由
コンバテック:ご自身がストーマを造設されたということはご家族以外の方にはどのように話していらっしゃいますか?
山本先生:私はストーマについて特に隠してはいません。しかし、普段の生活のなかで、自分にストーマがあることは、わざわざは取り立てては言わないです。例えば、友人らと旅行などでホテルや旅館のお風呂に行く際に、必要に応じて話したりします。
コンバテック:ストーマ自体が知らない方もいらっしゃるので、わざわざ説明するのが煩わしいということもよく聞きます。一方で、講演活動や日本オストミー協会の副会長というお立場からは、ストーマ保有者やご家族から相談を受けることもあるかと思います。その際にどのようなことを伝えてらっしゃいますか?
山本先生:(自身が副会長なので)手前みそですが、オストミー協会など、他のストーマ保有者との交流する場に参加することをアドバイスしています。私自身も月1回オストミー協会の集まりに参加して、散歩会といって都内のいろいろな場所に訪れたりすることを毎回楽しみしています。
ご自身のストーマに対して周囲にオープンにしておらず、こういう会に参加するのを好まない方もいるでしょうが、ストーマについての相談や意見交換ができる場は貴重なものです。自分のストーマの不調や悩みを気兼ねなく話せて、それをわかってもらえます。
エスティーム™やわらか凸シャロ―を使用するようになった経緯
コンバテック:最後にストーマケアについてお伺いいたします。ストーマケアに欠かせないストーマ装具ですが、どのように選んでいらっしゃいますか?
山本先生:当初からさまざまな装具をつかっていました。日記で記録をつけているのですが、どんな装具を使っても、年に5,6回は漏れがありました。今はエスティーム™やわらか凸シャロ―をいいなと思って使っています。これを使ってからは特に問題はありません。
コンバテック:弊社製品をお褒めいただいてありがとうございます!やわらか凸シリーズは、薄さややわらかさ、凸面のフィット感が自慢のストーマ装具で、多くの方に愛用いただいています。他にスキンケアで気を付けていることはありますか?
山本先生:先ほども少しふれましたが、ストーマケアの専門家である、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)のアドバイスを参考にするようにしています。エスティーム™やわらか凸を使用するようになったのも皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)からのアドバイスからでした。少しコロナの影響もあってか、体重がもどり、体型が変わったのだと思います。数ミリほどお腹が出て、ストーマが陥没ぎみになっているためか、やわらか凸が現在の私の体に合っていて、今はこれを頼りにしています。
コンバテック:皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)などの専門家の意見を取り入れて、ご自身の体型の変化などに合わせた、必要なケアをされているのですね。本日はお話をお聞かせいただきありがとうございます。今回のインタビューではストーマ保有者の方やご家族が参考にできるヒントがたくさんあったと思います。
ストーマ保有者とご家族のためのサポート
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